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おくやみコーナー — 役所の手続きを1か所にまとめる窓口

身内が亡くなると、役所の中だけで住民課・保険年金課・介護保険課・税務課と回ることになります。書く紙は毎回ほぼ同じ内容で、待ち時間も課ごとに発生します。この負担を減らすために設けられたのがおくやみコーナーです。名称は「おくやみ窓口」「おくやみハンドブック窓口」など自治体によって異なりますが、役割は同じです。すべての自治体にあるわけではない点も含めて、使い方を整理します。

できること
庁内の手続きをまとめて
申請書の氏名住所も代筆・印字
利用のしかた
予約制が多い
電話またはウェブ
所要時間
60〜90分
件数により前後する
対象外
銀行・年金事務所・法務局
役所の外は別に回る

何をしてくれる窓口か

コーナーで扱われる主な手続き

住民異動世帯主の変更(残った世帯員が2人以上のとき・14日以内)、住民票の除票の取得
健康保険国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失、保険証の返却、葬祭費の申請(国保・後期高齢者医療の加入者)
介護保険資格喪失、介護保険証の返却、保険料の精算
年金(一部)国民年金の受給停止や未支給年金の請求は市区町村で受け付ける場合がある。厚生年金は年金事務所
税・料金固定資産税の納税義務者の変更届、軽自動車税、住民税の納税管理人の指定、上下水道の名義変更
各種手当・証障害者手帳・各種医療証の返却、児童扶養手当など受給していた手当の届出
印鑑登録死亡届の受理により自動的に抹消される(手続き不要な自治体が多い)

扱う範囲は自治体ごとに違います。「予約時に何ができるか確認する」のが確実です。

補足
おくやみコーナーは2016年に大分県別府市が始めた取り組みが原型で、国も導入を後押ししたことから設置する自治体が増えました。とはいえ全国の市区町村1,700あまりのうち、設置しているのは一部で、多くは人口規模の大きい市です。町村では専用窓口ではなく「住民課が一括で受ける」運用になっていることもあります。「うちの役所にはない」と諦める前に、代表電話で「死亡の手続きをまとめて相談できる窓口はありますか」と聞いてみてください。名前がないだけで、実質同じ対応をしてくれることがあります。

予約から当日までの流れ

持ち物

来庁する人のもの本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)、認印。相続人以外が行く場合は委任状
亡くなった方のもの健康保険証、後期高齢者医療被保険者証、介護保険証、マイナンバーカード、障害者手帳、各種医療証、印鑑登録証
葬祭費の申請に葬儀の領収書または会葬礼状(喪主の氏名がわかるもの)、喪主名義の口座がわかるもの(葬祭費のガイド
あると早い年金証書、通帳、死亡届のコピー(葬儀社が控えをくれることがある)
証明書の手数料戸籍や住民票を同時に取るなら現金を。1通300〜750円程度

おくやみコーナーでは終わらない手続き

役所の外にある手続きは、自分で回ることになります。ここを「役所で全部終わった」と誤解すると、期限を落とします

年金事務所厚生年金の受給停止(10日以内)、未支給年金、遺族年金の請求
金融機関口座の名義変更・解約戸籍一式が必要で、金融機関ごとに手続きする
法務局相続登記(3年以内・義務)法定相続情報一覧図の申出(無料・銀行回りが劇的に楽になる)
税務署準確定申告(4か月以内)相続税の申告(10か月以内)
家庭裁判所相続放棄(3か月以内)、遺言書の検認
民間の契約電気・ガス・携帯・サブスクの解約生命保険の請求、クレジットカード

同じ日に取っておく証明書と、必要な通数

手続きが止まる原因の大半は、証明書の不足です。役所へ行く日にまとめて取っておくと、後の銀行回りが短くなります。

住民票の除票2〜3通(1通300円程度)。保険金の請求、証券会社、不動産の手続きで求められる
戸籍謄本(除籍)2〜3通(除籍・改製原戸籍は1通750円、現在戸籍は450円)。出生から死亡までの連続した戸籍が必要な手続きが多い
相続人の戸籍謄本相続人ごとに1〜2通。1通450円
住民票(相続人)1〜2通。相続登記や保険金請求で使う
印鑑登録証明書遺産分割協議に参加する相続人が各1〜2通(1通300円程度)。有効期限を求められることがあるので、使う直前に取る方がよい場合もある
法定相続情報一覧図法務局で無料・必要な通数だけ交付。これがあれば戸籍一式の代わりになり、銀行4行なら戸籍4セットが1枚で済む
費用の目安 戸籍の収集は、亡くなった方の本籍が3か所動いていれば除籍・改製原戸籍で3通=2,250円、相続人3人の戸籍と住民票で約2,700円、印鑑登録証明書3通で900円。郵送請求なら定額小為替の手数料が1枚200円加わります。全部で6,000〜10,000円を見ておけば足ります。

設置されていない自治体での回り方

代理で行く場合

チェックリスト

よくある質問

おくやみコーナーはどの市区町村にもありますか
ありません。設置しているのは一部の自治体で、人口規模の大きい市が中心です。窓口の名前がなくても住民課が一括で案内してくれる自治体もあるため、代表電話で「死亡の手続きをまとめて相談できる窓口はありますか」と確認してください。
予約は必要ですか
予約制の自治体が多く、電話またはウェブで受け付けています。予約時に亡くなった方の氏名・生年月日・住所と来庁者の続柄を伝えると、職員が必要な手続きを事前に組み立ててくれます。混雑する時期は数日待つこともあります。
どのくらい時間がかかりますか
手続きの件数によりますが、60〜90分が目安です。証明書の取得を同時に行う場合はもう少しかかります。月曜・連休明け・月末月初と正午前後は混みやすいため、火曜から木曜の午前中が比較的空いています。
銀行や年金の手続きもしてもらえますか
できません。おくやみコーナーが扱うのは役所の中の手続きです。厚生年金は年金事務所、口座は各金融機関、相続登記は法務局、準確定申告と相続税は税務署で、それぞれ別に手続きが必要です。庁外の手続きのチェックリストは窓口でもらえます。
相続人でなくても手続きできますか
委任状があれば代理で手続きできます。様式は自治体のサイトから印刷できることが多く、葬祭費の請求も喪主からの委任状で対応できます。遠方の場合は郵送でできる手続きがないかも予約の電話で確認してください。

あわせて確認 — 全体の期限は亡くなった後の手続き 期限順ガイド、役所で何をするかの詳細は役所でやること、葬祭費の金額はお住まいの自治体別の一覧、戸籍集めは戸籍の集め方へ。

※窓口の名称・取扱範囲・予約方法は自治体により異なります。本ページは一般的な説明で、個別の運用はお住まいの市区町村にご確認ください。