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親のこれからに備える

親のお金や、もしものときの話。切り出しにくいまま時間が過ぎ、いざというときに期限つきの手続きと「聞いておけばよかった」が同時に来ます。口座がどこにあるか、実家をどうしたいか、延命治療をどう考えているか。どれも、親が元気なうちにしか聞けません。

次の帰省が決まっているなら、帰省で親と話す準備から読むのが早道です。

元気なうちにしか聞けない4つのこと

  • お金の所在 — 口座がどの銀行にあるか(残高までは聞かなくていい)。保険証券・年金手帳の保管場所。あわせて代理人届を出しておくと、いざというとき動ける
  • 実家をどうしたいか — 住み続けたいのか、いずれ手放してよいのか。空き家になった実家は毎年維持費がかかり続けます
  • 介護と医療の希望 — 施設か自宅か。延命治療についての考え。かかりつけ医はどこか
  • 連絡してほしい人 — もしものとき、親の交友関係は子どもには見えません。連絡先リストの存在だけでも確認を

切り出し方のコツ

正面から「終活の話をしよう」と言うと、親は「死ぬ準備をさせられている」と受け取ります。話が進まないときは、たいていこの入り方が原因です。

うまくいくのは、親ではなく、自分か他人を主語にして始めるやり方です。「友だちのお父さんが倒れて、口座がどこにあるか分からず大変だったらしい」「うちも保険を見直したんだけど、そっちはどうしてる?」。この形なら、親は責められていると感じません。

もうひとつは、一度に全部を聞かないこと。年末年始やお盆に顔を合わせたとき、聞くのは一つだけで十分です。「銀行、どこ使ってる?」から始めてください。残高は聞かなくて構いません。確認したい30項目は数年かけて埋めていけばよく、急ぐのは口座と保険の所在だけです。

親に何かあったとき、最初の1週間で決まること

備えの話は抽象的になりがちですが、実際に倒れたときに何が起きるかを知ると、今やるべきことがはっきりします。

1〜2日目搬送先の病院から連絡が来ます。持病・服薬・かかりつけ医を聞かれます。答えられないと検査からやり直しになり、治療の開始が遅れます。お薬手帳の内容を控えておくのは、この場面のためです
3〜5日目入院費の支払い方、保証人、当面の生活費。親の口座は親にしか動かせません。代理人届を出していなければ、子が立て替えることになります(認知症とお金)
1週間目医療ソーシャルワーカーから「退院後をどうするか」を聞かれます。自宅に戻れるのか、介護が要るのか。ここで介護保険の申請が始まります。申請から認定まで1か月前後かかるため、早いほど有利です
その後実家をどうするか、費用を誰が出すか、きょうだいでどう分担するか。この話し合いは、親が話せる状態でなければ子だけで決めることになります

この一連で必要になるのは、どれも親に聞いておけば分かることばかりです。財産の額を聞く必要はありません。かかりつけ医、服薬、保険証の場所、口座のある銀行。この4つが分かっているだけで、最初の1週間はまったく違うものになります。

個別ガイド

親が亡くなった後の手続きは期限順ガイドに、ご自身の備えは自分の終活にまとめています。