今回の「売れているもの研究」は、東京駅のお土産ランキング。
日本の心臓部である東京駅にはグランスタ、エキュート東京、京葉ストリートなどを合わせるとなんと58店舗も販売店がある。
この超激戦区で何が売れているのか?
では、ランキングをみてみよう。
(ランキングは「東京ステーションシティ運営協議会調べ。2018年6月~2019年5月の集計)
東京駅 手土産売り上げランキング 10位~7位
- 10位:コロンバン「東京駅焼きショコラ」1,080円
- 9位:鳴門金時本舗 栗尾商店「角 和三盆」756円
- 8位:桂新堂(けいしんどう)「パンダの旅」1,080円
- 7位:銀座甘楽「豆大福」208円
8位のパンダの旅は名古屋市で江戸時代から続く老舗、桂新堂の「えびせんべい」。上野のパンダをモチーフにしている。パンダが東京の名所を旅する設定だ。

桂新堂(けいしんどう)「パンダの旅」
えびせんべい、というのはメジャーなお菓子だが、パンダがカワイイ。プリントされている部分は食品由来で安全、ということだが、やはり見た目のインパクトが人気の秘密だろう。
「美味しいえびせんべい」はたくさんあるが、「かわいいえびせんべい」はあまりない。
東京駅 手土産売り上げランキング 6位~4位
- 6位:日本橋錦豊琳「きんぴらごぼう」360円
- 5位:東京ミルクチーズ工房「クッキー詰め合わせ 東京限定パッケージ」1,965円
- 4位:東京かみなり舎「東京かみなりや」1,062円
5位の東京ミルクチーズ工房は京葉ストリートにあるお店。ファミリーからサラリーマンまで行列の絶えないお店だ。

東京ミルクチーズ工房「クッキー詰め合わせ 東京限定パッケージ」
人気は二種類のクッキー(蜂蜜&ゴルゴンゾーラと、ソルト&カマンベール)の詰め合わせ。パッケージが東京駅限定で駅舎のマークが入っている。
3年ほど前に現在のパッケージに代えてから売り上げが伸びたらしい。このパッケージがかわいいと女性に人気が出て、そのうえ「美味しい」と話題になったそうだ。
ここでも「かわいい」がキーワードだ。
店の行列をみるとサラリーマンのおじさんが多い。奥さんやお嬢さん、姪っ子などに「やー、これかわいー」と言ってもらいたい、という心理があるのだろう。
センスがいい、と褒められたいのは誰もいっしょ。
東京駅 手土産売り上げランキング 3位~1位
- 3位:カファレル「東京ジャンドゥーヤチョコパイ」1,080円
- 2位:ワッフルケーキの店エール・エル「東京駅限定ワッフル」1,300円
- 1位:ザ・メープルマニア「メープルバタークッキー」950円
ベスト3には洋菓子が並ぶ。
1位のメープルマニアのお店は東京駅グランスタにある。連日行列で「列の最後尾」の看板だけでなく、「中間地点はココ」の看板も掲げるほどの盛況だ。30分待ちのこともあるらしい。

ザ・メープルマニア「メープルバタークッキー」
なんと売り上げランキングでは4年連続の1位。帰省シーズンには1日に3,000箱も売れるそうだ。
美味しいのはもちろんのこと、パッケージもインパクトがあってかわいい。秋にはハロウィン缶パッケージを計画するなど抜け目ない。
実は5位の「東京ミルクチーズ工房」も「ザ・メープルマニア」も、シュクレイという会社が手掛けているブランド。まさに東京駅でひとり勝ちといっていいだろう。
どうやって激戦区東京駅で勝ち残ることができているのか?
老舗のお土産もあるなかで、新興ブランドが勝っているのには理由がある。
社長の阪本氏はこう語る。
「秘訣は、たくさんお客様に喜んでもらうこと。リピートでお買い上げいただくことがシュクレイの特徴だと思う」とのこと。
”たくさんお客様に喜んでもらう”という言葉の中には様々な要素が隠れている。味にこだわるのはもちろんのことだが、それだけでは勝てないはずだ。
・試食ができる。
・見て楽しい。パッケージのデザインには徹底してこだわる。
・女性や子供が食べて喜びそうなお菓子である。
・重たくない。かさばりすぎない。
このあたりはかなりこだわっていると思う。特にパッケージデザインは重要だ。
「とりあえず包装紙」みたいな感覚では選んでもらえない。多くのお土産品があるなかで、まずはパッとみて目に留まるかどうかは死活問題だ。目立つだけでなくオシャレというのはなかなか難しいが、それをクリアしていることが売り上げトップの秘訣だろう。
ランキングをみると洋菓子か和菓子かはあまり関係ない感じだが、和菓子は高齢者に人気で老舗ブランドが強い、といえるので、新興ブランドが狙うなら洋風&オシャレ&女性にうける、という要素が重要ポイントになるはずだ。