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競合他社の動向は必ず追ったほうがよい、ことが分かる事例

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どんな業界にもライバル会社、競合はいるもの。

どんぐりの背比べの業界もあれば、巨人と呼ばれる企業が君臨している業界もある。

今日は「競合他社に勝てないにしても、他社の動向やトップ企業の動向は必ず追っておいたほうがよい」と分かる事例を挙げよう。

最近は、業界紙や業界専門の新聞もなかなか売れない、という時代になってきており、「他社どうこうよりも、わが社がどうやっていくかが重要だ」という風潮が強い感じがする。

みな自分のことに必死で、まわりのことを気にするヒマがないのかもしれない。

現場の社員はまだそれでもいいかもしれないが、経営に関わる人がそんな感じならちょっとマズイのだ。

ホテルのアメニティビジネスで起きた変動

どんなホテルにもアメニティグッズがある。

ビジネスホテルのアメニティは味気ないものが多いが、それなりの高級ホテル、格式のあるホテルになればアメニティの品質にも強いこだわりを持っている。

顧客満足度の要素の1つとなっているからだ。

アメニティグッズを基準にホテルを選ぶマニアもおり、その情報はSNSなどで拡散される。

差別化が難しいホテル業界にとって、「個性」を売り出すための要素がアメニティのだ。

このアメニティに関することで、業界に大きな変化が訪れた。

2018年の12月に、化粧品大手=アメニティグッズの領域でも最大手である資生堂が「ホテルアメニティビジネスからの撤退」を宣言したのだ。

ふつうに、アメニティで資生堂と勝負して勝つのは困難

資生堂といえば日本人はもちろん、海外にも名が知れた有名メーカーで品質に対する信頼度はとても高い。

あるホテルが資生堂のアメニティを採用していたとして、それを他の会社に乗り換える、というのはあまり起きないことだ。

資生堂は生産ラインも安定していて、安価に質のよい商品を提供できる。「品が良くて安くて信頼されているブランドに勝つ」というのは並大抵のことではない。

こんな市場で勝負をしかけるのは愚策だ。

しかし、資生堂はアメニティビジネスから完全撤退を決めた。ボクシングでいえば、10度防衛してきた絶対王者がいきなり引退したようなものだ。

資生堂は儲かっていたのに降りた

資生堂がアメニティビジネスから降りた理由はなんだろう。

ふつうは「アメニティは薄利多売で儲からない。不採算事業から引いたのだろう」と予測するが、実際はそうではない。

「アメニティも高収益を出していたが、会社全体の業績が好調で、工場の生産ラインがいっぱいになり、やむなくアメニティは止めることにした」のが理由だった。

ホテルに置いてある商品よりも、実際に個人顧客に対して売る商品を優先した、というわけだ。

こんな理由で巨大競合会社がいなくなることがあるのだ。

アメニティビジネスに攻勢をかけたのは「バルクオム(BULK HOMME)」

ホテル業界も寝耳に水だった資生堂の撤退。

アパホテルグループでは、他の化粧品メーカー「サラヤ」と提携して独自のアメニティを制作したりしたが、そんな余裕があるホテルばかりではない。

「どうする?どこのブランドにする?」と現場は大慌てだ。

と同時に、化粧品メーカーからすればこれは願ってもないビッグビジネスチャンスである。

このチャンスに攻勢をかけたのは新興の化粧品ブランド「バルクオム(BULK HOMME)」だ。

最近、フランスのサッカー選手、キリアン・ムバッペをイメージキャラクターに起用し、大金をかけてプロモーションをしている化粧品ブランドだ。

2019年6月頃、偶然私は表参道ヒルズでバルクオムが大々的にプロモーション出店をしているのを目撃したが、全然人は集まっていない。(写真をみてのとおり)

(「ムバッペ使っても、こんなもんなんか」と思いつつ写真を撮ったことは記憶に新しい)

ムバッペはいい選手で、広告塔に起用したのはイイ線いっている、と思ったが、それだけでウワーと人気が出るほど化粧品業界は甘くない。

チャンスが少ない世界だが、この「資生堂撤退」で抜け目なく攻勢をかけるのは、こうした前向きなエネルギーを持っている会社なのだろう。

資生堂が作った穴を埋めるように、バルクオムはアメニティ専用のパッケージを開発し、いくつものホテルにプレゼンテーションを行っている。

ライバルの動向はみておくべし

こんな大ニュースなら放っておいても耳に入ってくるが、それでも「情報を得るスピード」は人それぞれで、必ず差がある。

もし一ヶ月でも遅れれば、ライバルとは大幅に差をあけられる。

ライバル社、競合他社の動向は必ず何かのヒントになるわけで、小さなニュースでも大きなビジネスチャンスに繋がる可能性は多いにある。

自社の戦略、自社のタスク、自社の結果を一生懸命見るのは当然のことだが、時にはゆったりと業界全体の動向や、ライバル社の動きを丹念にチェックする。

そんな役割を担う人が一人でもいると、競争の厳しい業界でも光明を見いだせるはずだ。

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