「若い頃と比べて体重が落ちにくくなった」「昔と同じ食事量なのに太ってしまう」60代になると、このような悩みを抱える方は少なくありません。
年齢を重ねると基礎代謝が低下し、若い頃と同じような生活を送っていても、どうしても痩せにくくなってしまいます。しかし、諦める必要はありません。60代からでも、適切な栄養摂取と生活習慣の見直しによって、美しく健康的に痩せることが可能です。
この記事では、60代の方が綺麗に痩せるために特に意識したい必須栄養素5つと、それらを効果的に摂取するための食事法、生活習慣の改善について詳しく解説します。
1. 筋肉量維持と代謝アップに不可欠な「たんぱく質」
60代からのダイエットで最も重要な栄養素の一つが「たんぱく質」です。たんぱく質は筋肉の材料となり、筋肉量を維持・増加させることで基礎代謝を高め、脂肪燃焼を促進します。
たんぱく質の重要性
- 筋肉量維持・増加: 加齢とともに筋肉量は減少し、基礎代謝も低下します。たんぱく質を積極的に摂取することで、筋肉量の減少を抑え、基礎代謝を維持・向上させることができます。
- 食欲抑制効果: たんぱく質は消化に時間がかかるため、満腹感が持続しやすく、間食や食べ過ぎを防ぐ効果があります。
- 骨粗鬆症予防: たんぱく質はカルシウムの吸収を助け、骨密度を維持する役割も果たします。
たんぱく質を豊富に含む食品
- 肉類(鶏むね肉、ささみ、赤身肉など)
- 魚介類(マグロ、サケ、タラ、エビなど)
- 卵
- 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
摂取量の目安
1日に必要なタンパク質の量は、体重1kgあたり1.0~1.2gが目安です。例えば、体重50kgの方であれば、1日に50~60gのタンパク質を摂取する必要があります。1回の食事でまとめて摂取するのではなく、3食に分けてバランス良く摂取することを心がけましょう。
2. 骨の健康と代謝を支える「カルシウム」
カルシウムは骨や歯の健康維持に不可欠な栄養素ですが、ダイエットにも深く関わっています。
カルシウムの重要性
- 骨粗鬆症予防: 加齢とともに骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。カルシウムを十分に摂取することで、骨密度を維持し、骨折のリスクを減らすことができます。
- 代謝促進効果: カルシウムは筋肉の収縮や神経伝達にも関わっており、不足すると代謝が低下する可能性があります。
- イライラ防止: カルシウムには精神安定作用があり、ダイエット中のストレスやイライラを軽減する効果も期待できます。
カルシウムを豊富に含む食品
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
- 小魚(しらす、煮干しなど)
- 海藻類(わかめ、ひじきなど)
- 緑黄色野菜(小松菜、モロヘイヤなど)
- 大豆製品(豆腐、納豆など)
摂取量の目安
1日に必要なカルシウムの量は、成人女性で650mg、成人男性で700mgが目安です。乳製品や小魚、海藻類などを積極的に摂取し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
3. 貧血予防と脂肪燃焼をサポートする「鉄分」

鉄分は血液中のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。ダイエット中は食事制限によって鉄分が不足しやすく、貧血やめまい、疲労感などの症状が現れることがあります。
鉄分の重要性
- 貧血予防: 鉄分が不足すると貧血になり、めまいや立ちくらみ、疲労感などの症状が現れます。
- 脂肪燃焼効果: 鉄分は酸素を全身に運び、脂肪燃焼を促進する効果があります。
- 代謝向上効果: 鉄分はエネルギー代謝にも関わっており、不足すると代謝が低下する可能性があります。
鉄分を豊富に含む食品
- 赤身肉(牛肉、豚肉など)
- レバー
- 魚介類(カツオ、マグロなど)
- 貝類(あさり、しじみなど)
- ほうれん草
- 小松菜
摂取量の目安
1日に必要な鉄分の量は、成人女性で10.5mg、成人男性で7.5mgが目安です。鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。食事の際は、鉄分を含む食品とビタミンCを含む野菜や果物を組み合わせるようにしましょう。
4. 血液サラサラ効果と代謝アップを促す「オメガ3脂肪酸」
オメガ3脂肪酸は、血液をサラサラにする効果や、代謝を促進する効果がある良質な油です。ダイエット中は積極的に摂取したい栄養素の一つです。
オメガ3脂肪酸の重要性
- 血液サラサラ効果: オメガ3脂肪酸は血液中の中性脂肪やコレステロールを減らし、血液をサラサラにする効果があります。
- 代謝促進効果: オメガ3脂肪酸は脂肪燃焼を促進し、基礎代謝を向上させる効果が期待できます。
- 満腹感持続効果: オメガ3脂肪酸は消化に時間がかかるため、満腹感が持続しやすく、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品
- 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)
- 亜麻仁油
- えごま油
- くるみ
- 魚介類(サバ、サンマなど)
摂取量の目安
1日に必要なオメガ3脂肪酸の量は、1.6~2.2gが目安です。青魚を週に2回以上食べる、亜麻仁油やえごま油をドレッシングやスープに加えるなど、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。
5. 若々しさと美肌を保つ「ビタミンA・C・E」
ビタミンA・C・Eは、抗酸化作用や美肌効果があり、若々しさを保つために重要な栄養素です。
ビタミンA・C・Eの重要性
- 抗酸化作用: ビタミンA・C・Eは活性酸素の働きを抑え、細胞の老化を防ぐ効果があります。
- 美肌効果: ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、シミやシワを防ぐ効果があります。ビタミンAは肌のターンオーバーを促進し、肌の潤いを保ちます。ビタミンEは血行を促進し、肌のハリやツヤを保ちます。
- 免疫力向上効果: ビタミンA・C・Eは免疫力を高め、風邪や感染症を予防する効果も期待できます。
ビタミンA・C・Eを豊富に含む食品
- ビタミンA: レバー、うなぎ、卵、緑黄色野菜(ニンジン、カボチャ、ほうれん草など)
- ビタミンC: ブロッコリー、パプリカ、キウイ、イチゴ、レモンなど
- ビタミンE: アーモンド、アボカド、植物油(ひまわり油、オリーブオイルなど)
摂取量の目安
ビタミンA・C・Eの1日に必要な摂取量は、それぞれのビタミンの種類や年齢、性別によって異なります。バランスの取れた食事を心がけ、必要に応じてサプリメントを活用するのも良いでしょう。
その他、60代のダイエットで意識したいポイント
- 食物繊維: 食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消や満腹感の持続に役立ちます。野菜、果物、海藻類、きのこ類などを積極的に摂取しましょう。
- 水分: 水分は代謝を促進し、老廃物の排出を助けます。1日に1.5~2Lの水分をこまめに摂取しましょう。
- 運動: 有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、脂肪燃焼と筋肉量維持に効果的です。ウォーキング、水泳、ヨガ、スクワットなど、無理のない範囲で運動を習慣化しましょう。
- 睡眠: 睡眠不足は食欲を増進させ、代謝を低下させる可能性があります。1日7~8時間の質の高い睡眠を確保しましょう。
- ストレス: ストレスは過食や代謝低下の原因となります。