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営業・プレゼンに活かす漫才師の技術(NHK漫才先生・サンドウィッチマン)

投稿日:2017年12月24日 更新日:

なにげなくNHKで見た「漫才先生」という番組。

企業(カルビー社)の営業部門にサンドウィッチマンのふたりが「営業での切り口やプレゼンのコツについてレクチャーする」という内容だった。

営業、プレゼンの面でタメになった、ということはもちろん、一流の漫才師がどのようにネタを組み立てているのか、という点がとても新鮮で。

単純に漫才師が自分のネタの構成を解説するってなかなかお目にかかれないし、個人的にサンドウィッチマンの漫才はとても好きなので単純に感動した。

すぐに設定に入って、すぐにツカむ

サンドウィッチマンの漫才だけでなく、多くの漫才では「設定」を使う。

居酒屋の店員と客。銀行強盗と銀行員。警察と強盗、みたいなよく見るやつ。

この「設定」に入らないと漫才が始まらないわけだが、サンドウィッチマンは「いかに早く、無駄なく設定に入るか」を重視しているという。

ふつうの漫才師は「寿司屋やりたいんだけど」「じゃ、おれお客さんね」という感じで設定に入るが、サンドウィッチマンは「この2~3回のやりとりで笑いが生まれることがないので無駄」という。

サンドウィッチマンの入りはこうだ。

伊達:世の中、興奮することはいっぱいありますけど、一番興奮するのはお寿司屋さんに行った時だね。

富澤:間違いないね。

伊達:あっ、お寿司屋さんだ。興奮してきたな。ちょっと入ってみよう。

これだけで設定に入った=寿司屋と客の役になった、ということは分かるし、「寿司屋をみつけて興奮する」という伊達さんがちょっと面白い。

こんな風に、一般的に「当たり前」とされている流れに疑問を持ち、無駄を省いて面白く、スマートにできないか?と考えて解決策を見いだしているのだ。

で、設定に入ったあと、

富澤:ヘイヘイヘイヘイヘイラッシャイ!

伊達:少年野球か、うるせえな!

で最初の一笑いをつくる。最初の会話で笑いを生み出すのだ。

これも彼らは狙ってやっていて「いかに早くツカむのか」を意識しているという。

ちょうど2017年のM-1グランプリの解説で、博多大吉先生が優勝したとろサーモンに投票した理由を

「とろサーモンはツカミが1番早かった。2本とも通じて、つかみのスピードがピカイチだった」

と評価したように、いかにツカミを早くするか、は漫才を面白くする大きな要素であり、それはつまり「人を話に早く引き込む」のに重要なのだ。

いっぽうで、カルビーの営業担当者が取引企業と商談をしている様子(VTR)が流された。

ここでは「今月の売り上げなんですが・・・」と淡々と報告が続き、聞き手としては何が重要で何を考えればいいのかよく分からない、という状態だった。

このような打ち合わせ、プレゼンをしていては相手を引き込めない、という対比がよく分かったシーンだった。

セリフを磨く

伊達さんが「パンが好き」という設定の中で、2~3か月ほど「そのパンを何パンにするか」悩んだというエピソードがあった。

クリームなのか、揚げなのか・・・などいろいろ考えた末、「メロンパン」に落ち着いたという。

コワモテのおじさん(=伊達さん)との組み合わせで一番面白いのは「メロンパン」かなという結論に至ったという。

たしかに食パンだとかわいくない。アンパンとおじさんという組み合わせはよくあるので面白くはない。

・・・メロンパンが正解なのかどうかは置いておいて、二流、三流の売れない芸人は「パン」をどうするかそこまでは考えないだろう。

言葉で笑わせる漫才師は、一言にこだわる、といういい話だった。

社の契約が決まるかも、というプレゼンにおいて、どんな言葉をどこで使うのかはとても重要なはずだし、「しっかり磨けば、よい結果を生み出すだめに何パーセントかは貢献する」ということだろう。

ポイントを決めて、そこで落とす。

ボケの富澤さんの名ゼリフといえば「ちょっと何言っているか分かんない」

このセリフでドカンと受けるように、漫才を組み立てているという。

たまたま流れの中でこのセリフが生まれるのではなく、「このセリフありき」でその前のやりとりを決めている、ということだった。

まさにここが笑いのポイントで、ここで必ず受ける、ということを狙っているのだ。

寿司屋を訪れた客(伊達)と店員(富澤)という設定でこんなやりとりがある。

伊達:マグロちょうだい。それ養殖?

富澤:お客さん・・・すしっていうのは和食です。

伊達:分かってるよ、そんなの。天然なのか聞いてんの。

富澤:天然なのお客さんじゃないですか。すしを洋食か?って。

伊達:お前ド天然だな。マグロが天然か養殖か聞いてんの。

富澤:ちょっと何言っているか分かんない。

↑文字にすると面白さが1/10も伝わらないが、実際に漫才をしている映像をみるとここでドカンと受けている。

「山場でトドメの決めゼリフ」というわけだ。

セールスやプレゼンでも「ここが一番のPRポイント」という点があるはずだが、往々にして「色々話しすぎて、どこが一番のポイントかよく分からず、客の頭にも残らない」と結果に終わることが多い。

「今日、一番伝えたいこと。落としどころは何か」

しっかり決め、そのうえでトークの流れを決める、という準備をすることで成約率にいくらかの差は生まれそうである。

小ネタ。YESセット話法

「漫才先生」には、カリスマ営業ウーマンの和田裕美さんが監修(営業コンサルタント)として登場している。

この日は「YESセット話法」を解説していた。

これは、会話の冒頭の短時間で、相手にYESをたくさん言わせる、というテクニックの1つ。

小さいYESを積み上げ、YESを言いやすい状態にしてから大きいYES=商談成立につなげる、というものだ。

「ピザって十回言って」「ピザピザピザ・・・」みたいな遊びみたいなもので、実際の現場で使えるかどうかは疑問だが。

そういう雰囲気を作る、という点では知っておいてもよいかもしれない。

まとめ

番組終了のまとめで、伊達さんが言ったアドバイスがとてもよかった。

「できるだけ無駄なものを切り落とす。話のポイントをドンと最初に伝えてからトークを進めるほうがよい」

行き当たりばったりで好きなようにしゃべって成功するわけではない。準備、構成が大事、ということですね。

次回の漫才先生が楽しみだ。今度のゲスト先生は誰だろう~?

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