マーケティングという言葉は、あらゆるビジネスシーンでも使われ、一般的にも知らない人はいないほどメジャーな言葉である。
数十年ほど前、この言葉の印象について聞かれると「市場調査」と答える人が多かったが、現在は「市場調査」はマーケティングの一環であり、あらゆるマーケティングに関わる活動の1つだといえる。
マーケティングの意味を一言で表してみる
さて、マーケティングの言葉の定義とは何なのか?
ググってみると「商品が売れるように行う企業活動の総称」などとある。
企業活動、とあるが、マーケティングはフリーランスや個人事業主にも必要で「企業」といわれるとピンとこない。
業種も業界も様々で、売る商品も千差万別のなか、マーケティングをかんたんな一言で表すことはできないか?
そう考えると一番分かりやすいのは、
マーケティング=「売れる仕組みづくり」
だといえる。
賛否はあるかもしれないが、個人的にはこれが一番しっくりくる。
マーケティングの類義語として一般的に混同されやすいのが「セールス」だが、これもマーケティングの一環で「目の前の顧客(あるいは見込み客)に、商品やサービスを売りに行くアクション」というイメージになる。
セールスは売れる仕組みのなかの「重要な要素の1つ」といえるだろう。
仕組みというのは、ものごとがうまくいくように工夫された組み合わせ、組み立てのことをいう。
ビジネスは利益を上げるために(利益を上げることだけが目的ではないが)、商品・サービスを顧客に販売することが不可欠であり、それを「仕組みにする」ことがマーケティングである。
売れる仕組みと次世代のマーケティング
理想的なマーケティングの形は「売り込まなくても売れるようにする」ことである。
これは販売する側(マーケティングを行う側)にとっても、顧客(見込み客を含む)にとっても、重要な要素になってきている。
例えば、今でも「訪問販売」や「飛び込み営業」などの活動は存在する。
売れる仕組みづくりの一環として、営業担当を雇い、エリアを決めて、ノルマを課して、個人宅や企業に突撃する、というスタイルを「マーケティングではない」とは否定できない。
大きな企業や銀行でも、個人に電話をかけて商品を売り込む、などの活動は今でもやっている。
電話をかけるのも、玄関に行ってチャイムを押すのも、ポストにチラシをまくのもやり方としてはさほど変わらない。
これらの手法は、やる側にとってもストレスがかかり、受ける側にとってもストレスがかかる。
時代の流れとともに、このようなやり方はどんどん成果がでなくなっているし、訪問販売に関しては法改正が度々行われて規制も厳しくなっている。
こういう背景から、企業はブランド力を高めて信頼性を増すことや、個人やフリーランスであればコンテンツマーケティングなど「顧客から選んでもらう。売り込まずとも商品やサービスを買ってもらえる」ことを重視するようになってきた。
次世代のマーケティングとは、「いかに売り込まずに、売れる仕組みを作れるか」がポイントになる。